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Hotei 161
東京二十景 桔梗門
1929(昭和4)
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刻(とき)を止めた静寂の門 —— 『東京二十景 桔梗門』
大正の残り香と昭和の夜明けが交差する1929年。川瀬巴水がその鋭敏な感性で切り取ったのは、皇居・桔梗門に宿る**「永遠の静寂」**。
お濠(ほり)の鏡のような水面は、歴史の重みを静かに湛え、見る者を都会の喧騒から切り離された別世界へと誘う。
独自の光と影、そして「幻の雲」
この作品の真髄は、空の表情にある。巴水が求めた理想の光を再現するために、摺り師が幾度も重ねた色彩の層。とりわけ初摺りに見られる写実的な雲の描写は、まるで当時の東京の湿った風さえも感じさせるほどに生々しく、叙情的。
現代では「邂逅」すら叶わぬ、幻の逸品
『東京二十景』というシリーズ自体が巴水の代表作として世界的に愛されているが、この『桔梗門』、特に制作当時の色彩を留めた初摺りに関しては、現在、市場で目にする機会はほとんど失われつつある。
かつて震災の傷跡を乗り越え、新しい時代を生きようとした東京の姿。その貴重な「記憶の断片」は、今や世界中の熱心なコレクターの手元に収まり、公の場に姿を現すことは滅多にない。
一度手放せば二度と出会えないかもしれない。そんな「一期一会」の緊張感さえ漂わせるこの作品は、単なる美術品を超え、所有する者にだけ許された、巴水との密やかな対話の時間をもたらしてくれる。
版元:渡邊木版画舗
サイズ:長判
状態:良
価格 1,350,000円(税別)
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